【モササウルス】恐竜じゃないよ! 史上最強の海棲爬虫類「モササウルス」 | 恐竜図鑑
史上最強の海棲爬虫類! 白亜紀の海の王者・モササウルス。恐竜じゃなくて、海に住んでいた大きな「爬虫類(はちゅうるい)」。ワニみたいな頭と、パドルみたいな四つの足、大きな口と鋭い歯が特徴。大阪や和歌山など、日本でも見つかっているよ!
モササウルスの自己紹介
ぼくの名前はモササウルス。これからぼくの自己紹介をするよ!
[名前の由来] ぼくは「マース川のトカゲ」さ!
ぼくの名前は、「マース川のトカゲ」という意味。
ぼくは1764年にヨーロッパ・オランダのマーストリヒト市の石灰岩採石場で発見されたよ。
ちかくには、マース川 (フランス語ではムーズ川)があって、そこから名前がつけられたんだ。
モサ (Mosa) =マース川
サウルス (Saurus) =トカゲ
で、「モササウルス (Mosasaurus) 」=「マース川のトカゲ」なのさ。
でも最初にぼくがみつかったときは、ぼくが巨大な海棲(かいせい)爬虫類だって気づいてもらえなくて、ワニとかクジラの骨だと思われてたんだよ。
そのあとフランスに連れていかれて、そこでぼくがモササウルスだって気づいてもらえたんだ!
[身体の特徴] 大きな体と巨大な口、するどい歯が自慢だよ!
ぼくたちモササウルスの大きさは、すっごく大きくて、全長(ながさ)は17メートルぐらいで、大きなバスと同じくらい。
おもさも20~30トンぐらいあったんだ。
20トンだとすると、アフリカゾウが4頭、カバが10頭分ぐらいな感じだよ。
※Mosasaurus hoffmanni(モササウルス・ホフマニイ)の標本にもとづく
ワニみたいな頭と、四つの足がパドルみたいなひれにかわった体、70本もあるするどい歯がすっごくかっこよかったんだ。
口を大きくあけることも得意で、全開にすると1.8mほど。大人が立てるくらい広いんだ!
だから、獲物を一気に丸呑みすることもできたんだよ。
大きな魚やウミガメの丸のみなんて、かんたん。
プレシオサウルスやホオジロザメまで丸のみできたんだ。
まさに、海の王者!
かっこいいでしょ。
[性格・行動] 一匹オオカミタイプ。じつは卵から生まれてないかも!?
ぼくたちモササウルスは、基本的には一匹オオカミタイプ。ひとりで行動していたよ。
でもお母さんたちは、もしかしたら子供たちの安全を守るために一緒に暮らしていたかもしれないね。
そうそう、ぼくたちには、すっごく大きなナゾがあるんだ。
それはね、もしかしたらぼくたちは卵から生まれていないかも!ってコト。
え? 爬虫類って卵から生まれるんだよね? と思った子も多いはず。
卵から生まれることが多いけど、絶対じゃなくて、そうじゃない爬虫類もじつはいるんだ。
そしてぼくたちモササウルスは、今まで見つかった赤ちゃんの化石の状態やみつかった場所から考えると、卵じゃなくてお母さんがおなかの中で赤ちゃんを育てて産んだのかも、って言われているよ。
本当はどうなんだろうね。新しい発見が楽しみだよね!
[食べ物] 口に入るものなんでもパクリ! ときには同じモササウルスも……
ぼくたちモササウルスは、地球に誕生してすぐのころは、魚を食べていたよ。
でも進化のなかで、歯もどんどんするどくなっていって、大きな獲物を引きさくほどの強さになっていったんだ。
そして食べるものも変わっていったよ。
魚はもちろん、大好物のアンモナイトや硬い貝、小型の首長竜やウミガメなんかもパクリ&バリバリ・ムシャムシャ。
食べ物にはあんまりこだわっていなくて、大きな口に入るものなら、なんでも食べてたよ。
大きな獲物を丸のみするときは、口を上下にあけるだけじゃなくて、下のアゴを横に伸ばすこともできたんだ。
でもじつは、ぼくたちの化石からおなじモササウルスがみつかっていて……
モササウルスがモササウルスを食べちゃってたかもしれないんだ。
[頭脳・五感] 目がよくて、獲物をみつけるのがとっても得意!
ぼくの頭のよさはよくわかってないんだけど、目はすごくよくて、獲物をみつけるのにすごく役にたっていたよ。
嗅覚(鼻)と聴覚(耳)はあまりよくなかったけどね。
目がよければ、獲物をみつけてつかまえるのに困らなかったから、大丈夫だったよ。
[歩き方・速さ] パドルみたいなヒレで海のなかをスイスイ!
ぼくたちモササウルスは、パドルみたいなひれを使ってスイスイ泳いでいたよ。
すごくスムーズに水中を進むことができて、からだの形から、ものすごく早く泳げたんじゃないか、って言われてるんだ。
たぶん一番早く泳げたタイミングで、時速50キロメートルぐらい出たかもしれないね。
[場所・時代] 白亜紀に住んでいたよ! じつは日本でもみつかってるんだ。
住んでいたのはヨーロッパや北アメリカの海のあたりで、好きな場所は海の中の深いところ。
ちなみにどんな時代に生きていたかっていうと、だいたい7900万~6500万年前で、地上にはティラノサウルスやトリケラトプスがたくさんいた「白亜紀」っていう時代なんだ。
でもじつはね。他にもいろんな場所でもぼくたちは見つかっているんだ。
なんと大阪や和歌山など、日本でも見つかっているんだよ!
ぼくが海の王者って呼ばれる理由、わかってくれたかな?
ちなみに、シロナガスクジラとどっちが強い?ってきかれることがあるけど、大きさではシロナガスクジラのほうがずっと大きかったけど、泳ぐスピードはぼくのほうが速かったよ。
そしてシロナガスクジラは歯がなかったけど、ぼくは狂暴な歯をもっていたから、もしかしたらぼくのほうが強かったかもしれないね!
史上最大の絶滅したサメ・メガロドンともどっちが強い?もすっごくよく聞かれるけど、生きていた時代が全然ちがうし、戦ったことはないんだよね。
でももし戦ったら……メガロドンのほうがずっと大きかったし有利だったと思うけど、ぼくはすっごく泳ぎが早かったから、うまくいけば勝てたかもしれないね。
でもぼくが生きていた白亜紀の時代、海のなかでのナンバーワン、海の王者はぼく・モササウルスだったのは、ぜったいだよ!
モササウルスのスペック表
名前 | モササウルス (Mosasaurus) |
分類 | 海洋爬虫類 |
全長 | 17.0m |
体重 | 28トン |
食べ物 | 肉食/海洋生物 |
時代 | 7900万~6500万年前(白亜紀後期) |
生息地・発見地 | 北米の大きな内海 |
動き方 | 水中を移動 |
モササウルスのグッズ
フィギュア
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