新種の角竜! 名前は「フルカトケラトプス・エルキダンス」

新種の角竜「フルカトケラトプス・エルキダンス」の復元図
フルカトケラトプスの復元図

新しい恐竜の名前が決まったよ!

大阪市立自然史博物館で開催中の『恐竜博2023』で、これまで「ケラトプス科の未記載種」として展示していた恐竜の名前が決まったんだ。

その名も……フルカトケラトプス・エルキダンス

どんな恐竜なのかな? くわしく見てみよう!

もくじ

フルカトケラトプスってどんな恐竜?

フルカトケラトプス・エルキダンスは、新しい種類の角竜。

角竜は植物食恐竜で、トリケラトプスなんかが有名!
特徴的な角やフリル(首元の飾り)をもっていた種類だよ。

ズールと同じ時代の白亜紀終わりころ、隕石がぶつかるまで、大型植物食恐竜として北米や東アジアにいっぱいいたんだ。

でも今回新しく名前がつけられたフルカトケラトプス・エルキダンスは、いままでの角竜とはちょっとちがった特徴をもっているよ。

新種の角竜「フルカトケラトプス・エルキダンス」の骨格図
本標本の骨格図。白色の部位の骨化石が確認されている。

目の上の角の骨が前に大きく伸びていて、ちょっと内側に曲がっているんだ。
それに、鼻の骨の一部が口の上の骨に外からかぶさるようになっているんだよ。

だからいままで見つかっている角竜とちょっとちがっていて、新しい名前がつけられたんだ。

フルカトケラトプスの基本データ

学名Furcatoceratops elucidans (フルカトケラトプス・エルキダンス)
属名の意味フォーク状の角のある顔(目の上の角が二股フォークのように伸びていることから)
種小名の意味光を当てるもの(研究例の乏しい骨の形態をも明らかにする標本であることから)
分類鳥盤類 新鳥盤類 周飾頭類 角竜類 ケラトプス科
産地(みつかった場所)アメリカ・モンタナ州 ウィニフレッド近郊
地層ジュディスリバー層 コールリッジ部層
時代後期白亜紀 カンパニアン(今から約7560万年前)
全長約3.5メートル(亜成体)

フルカトケラトプスの名前の由来は?

学名は、Furcatoceratops elucidans (フルカトケラトプス・エルキダンス)。

Furcatoceratopsは、「フォーク状の角のある顔」という意味。
Furcato(フルカト)=ラテン語で「フォークのような」、ceratops(ケラトプス)= 「角の顔」だよ。

elucidansは、今までわからなかった骨の形態を明らかにすることから、「光を当てるもの」という意味でつけられたよ。

新種の角竜「フルカトケラトプス・エルキダンス」と近い種類の頭骨の比較
フルカトケラトプスと近い種類の頭骨の比較。フルカトケラトプスは、上眼窩角芯(目の上の角を支える骨)が根元から大きく前方へ伸び、少し内側に曲がっているよ。それから、鼻骨と前上顎骨の関節部(青い三角で示した部位)の形もちがうんだ(左右は一部反転。スケール不同)。

フルカトケラトプスは特別なの?

この角竜は、若い個体で、まだ3歳未満の赤ちゃんみたいなものだったんだよ。

でも、その骨はすごくきれいに保存されていて、他の恐竜とはちがう特徴があるよ。

とくに頭の部分や角などが、成長していくなかでどう変わっていったかを知るヒントになるんだ。

新種の角竜「フルカトケラトプス・エルキダンス」の左上腕骨
本標本の左上腕骨の断面と成長停止線(▲で示した線が成長停止線)

フルカトケラトプスはいつどこで見つかったの?

フルカトケラトプス・エルキダンスの化石がみつかったのは、2012年、アメリカ。

モンタナ州にある、ジュディスリバー層っていう場所だよ。

ジュディスリバー層では他の恐竜の化石もたくさんみつかっているけど、フルカトケラトプス・エルキダンスの化石は、そのなかでもとってもいい状態でみつかったんだって。

新種の角竜「フルカトケラトプス・エルキダンス」の頭部
この標本の頭部。頭骨をつくるいくつもの骨がとてもいい保存状態で見つかっている。

これから研究者たちは、この新しい角竜の化石を使って、他の恐竜と比べたり、成長の過程を見てみたり、内部の構造を調べたりする予定だよ。
それによって、角竜の生活や進化について新しい情報がわかるかもしれないんだ!

これからも新しい発見や情報が楽しみだよね!

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